ポータブル赤道儀 スカイメモS ⑥ 250mm試写とピリオディックモーション2016-12-20 Tue 20:25
昨夜、ホームの蔵王ダムでスカイメモSのファーストライトを終えました。
後日記事に致します。 その前に今回は250mmでの試写とピリオディックモーションについて書こうと思います。 長文になります。 前回の記事では、Tamronのレンズで17mmと50mmの試写をしました。 10分の露光では、満足の行く結果となりました。 今後の焦点距離は17mm・50mm・250mmで多く撮影しそうなので、いきなり250mmで試写をしました。それと、試写を終えて気になる所があったのでピリオディックモーションを測定しました。 今回使用するレンズはカメラを購入したときに付属していたキットレンズです。 EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM キットレンズの割りに中々評判が良さそうなレンズです。 三脚の水平・スカイメモSの水平を出してから極軸を合わせました。 極軸合わせは慣れてきましたので数分で完了です。 露光時間は1分・3分・5分としました。 撮影条件は自宅でISO100 F4→7.1で撮影しました。 今回も、動きの早い南の方の星を対象にしてオリオン座の二重星のミンタカを撮影しました。 離角が53秒と大きいので、ライブビューの×10でもはっきり二重星とわかります。 ついでにこの星を使ってピリオディックモーションを測定しようと思います。 ミンタカ 250mm F4→7.1 1分 ![]() ミンタカ 250mm F4→7.1 3分 ![]() ミンタカ 250mm F4→7.1 5分 ![]() パッと見はいけてるように見えますが・・・ ピクセル等倍にするとどれも流れています。 ミンタカ付近をピク セル等倍で切り出したのがこちらです。 ![]() 画像の上が西側なので、どのショットも日周運動に沿って流れているような感じです。 各露光時間で10枚ほど連続で撮影したんですが、ある事に気づきました。 10枚の内、流れ具合に僅かに差があります。 上の画像はその中で具合の小さな物になりますが、完全に点像になっているものはないようです。個人的には250mmでこの具合なら満足してますが、納得はしてません(笑) で、数日に渡り色々対策してみて原因を追求してみました。 結果的には色々やってみたので すが、このちょっとした流れを撲滅できません。 実施したことをまとめてみます。 実施対策 ・各部の増し締め・極軸・バランス確認。 ・撮影直前にも極軸の確認とドリフト法での確認。 ・極軸望遠鏡の光軸調整 ・バランスウエイトの軽量化 1kg→400g ・スカイメモS搭載重量 総重量は3kg未満 ・雲台のたわみ対策 方持ち構造の支え ・雲台の各軸設置方向 赤経軸回転に軸がたわむ懸念。軸支柱向きを全パターンで。 ・ストーンバックによる与圧 赤経軸回転に軸がたわむ懸念。雲台三脚に西側や東側または両方に与圧。北極星導入は与圧後。 ・設置場所 ベランダ(樹脂の敷物)・庭(地面土)・駐車場(コンクリート) ・三脚の脚 4段→2段 ・バランス調整 バランスが取れている状態・バランスをわざとカメラ側ウエイト側にした状態 ・スカイメモS 電源を入れて安定駆動(数分以上)してから撮影 ・極軸の確認 極軸望遠鏡 ドリフト法(東の星と南の星) これだけの事を確認してその都度撮影して確認しました。 いずれも改善するには至 っていません。 三脚・雲台・スカイメモSの耐重量には十分余裕があり、極軸もずれてはいないと思うのです。 三脚の先端はゴム脚ですが、これは外して試していません。 ピリオディックモーションの測定 支える側に問題がないなら、後はスカイメモS側だと思いそちらを疑ってみました。 ピリオディックモーションというのでしょうか?ネットで調べ測定してみました。 あっているのかわかりませんが、測定方法は以下のように測定しました。 ・極軸を合わせる。 ・測定する焦点距離・条件で測定の基準となる二重星を撮影しておく。 今回は離角53秒角のオリオン座ミンタカを追尾撮影。 ・極軸を西か東にわざと1~2度ずらす。今回は大体2度程ずらしました。 ・ 南の高度55°付近の南中した星を導入する。 ミンタカの南中高度がそのぐらいなので、南中時間に合わせてミンタカ付近を撮影。 ・ウォーム1回転分の時間で追尾撮影。スカイメモSの歯数144枚だと1回転10分。 ![]() 得られたピリオディックモーションがこちら。ついでなので2周分も撮影しました。 事前に撮影したミンタカとピリオディックモーションを撮影した画像を比較明合成しました。 ![]() ミンタカの二重星から比率計算して大体50秒(±25秒)ぐらいでしょうか。 それより気になったのは軌跡の方。素人目にみてこれはアカンやつと感じました。 ウォームギア1周分の内、ギザギザかつ不規則な軌跡。 ウォームギアの歯面状態はよくなさそうです。 稀に星がジャンプするようなショット、複数連続撮影した中で流れる量に差があるのはこれが原因でしょうか? 極軸をいくら合わせてもわずかな流 れを撲滅できないのは、このあたりが原因でしょうか。 僅かな流れを撲滅できれば言う事ないですが、気楽に持ち出して5分で設置・撮影開始。 250mm・5分でこれぐらいなら、お気楽撮影としてはこれでいい気もします。 対策ばかりで解決せずモヤモヤするより、出かけてこれでガンガン撮影したほうが幸せな気がします。 スポンサーサイト
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コメント
お疲れ様です。
いろいろと対策をされたんですね。 ピクセル等倍は危険な言葉です(^^; ポータブル赤道儀なのである程度の寛容さは必要かと・・・。 自分的には最後の一言が好きですね。
ともさんおはようございます。
スカイメモSのファーストライトお疲れ様です、随分細かい分析勉強になります、私も同じスカイメモSですがそこまで丁寧にした事はありません たとえジャスピンの綺麗な画像撮れても処理する技術もないので(笑) 気軽に星系写真撮れればいいな程度でしたが少しともさんに見習って勉強します。
カメラde遊ingさん。こんばんわ。
色々やった割にはあまり報われませんでしたけど、色々勉強になったので良しとします(笑) ポータブル赤道儀で今後の活動が広がりこれから楽しみです。 やっぱり趣味ごととしてやるのだから、楽しくて自分が幸せにならないとですね♪ また色々教えて下さい。 2016-12-21 Wed 22:00 | URL | とも [ 編集 ]
夕焼け熊五郎さん。こんばんわ。
ありがとうございます。私の分析なんて淀川より浅いですから(笑) 仕事柄、機器をいじったり分解したりは好きなほうなのでその延長です。 ジャスピン!いい響きですね。ジャスピンにできたことがあるのかが自分は疑問です。 待ち時間は車に篭らず、シャッター音聞きながら珈琲しながら星見ながらの3ながらが至福のときです。 2016-12-21 Wed 22:07 | URL | とも [ 編集 ]
普通なら250mm5分はポタ赤では無理だと思います。でもこれだけ点に近いのならすごいのではないでしょうか。
200mmくらいで3分がうまくいけば撮影の幅が飛躍的に広がると思います。 次は1軸オートガイドに挑戦してみてください。 2016-12-23 Fri 12:03 | URL | まるひ [ 編集 ]
まるひさん、こんばんわ。
200mm以上で3分でなんとか実用に耐えるぐらいはと思っていましたのでこの結果には概ね満足しています。 色々対策や確認も現状できる事はやりきりました。今までの17mmとは違って対象をピンで撮影する楽しさをいま実感しています。 もちろん広角での撮影も今後撮ります。大げさですが、こういうのがやりたかったんだと再確認しました。オートガイド・・・またまた危険な沼フレーズですね。まだまだ先にあんりますが、赤道儀+望遠鏡で使うことになるかもしれませんしお勉強はしていきます♪ 2016-12-23 Fri 23:45 | URL | とも [ 編集 ]
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